保安・防災・持続的発展貢献に重点
保安意識向上とリスク管理強化必要

年頭所感

日本コミュニティーガス協会 古野 晃 会長

 昨年は55年ぶりに大阪・関西万博が開催され、当初は準備の遅れなどで盛り上がりが懸念されたが、総来場者数は目標の2500万人を上回る約2900万人となり幕を閉じた。
 今年は午(うま)年で「迷わず前進する年」ともいわれている。私たちはその言葉の通り、保安最優先の姿勢を堅持しながら、地域の暮らしを支えるエネルギーとしての価値向上に挑戦していく。
 コミュニティーガス事業を取り巻く環境は、人口減少、地域構造の変化、エネルギー間競争の激化、消費原単位の減少など、大きな変革期を迎えている。こうした状況下でも、安心してガスをお使いいただくためには、事業者一人ひとりの保安意識の向上と組織全体でのリスク管理強化が不可欠だ。

 協会として今年は次の3点に重点を置き、取り組みを行っていく。
 1点目は2021年度に策定された「ガス安全高度化計画2030」の見直しに関わる取り組みだ。アクションプランに定められた内容の見直しにより、新たに取り組む事項または強力に取り組むべき事項の検討を行っていく。防災体制の整備については、24年に発刊の「コミュニティーガス事業の保安教育の手引き」を基に、明確かつ具体的な内容で継続した保安教育の実施が図れるよう推進していく。
 2点目は地震・台風・集中豪雨などによる自然災害に対する備えだ。昨年12月8日23時15分ごろ青森県東方沖で震度6強の地震が発生し、震度5強以上を観測したコミュニティー団地のうち5団地(全て震度6強)については、特定製造所にで感震遮断装置の作動が認められたものの速やかに復帰し、大きな被害などはなかった。対応にあたられました事業者の皆さまには感謝申し上げる。いかに普段からの不断の備えが重要であるかということではないだろうか。これまでもさまざまな災害に対応するために22年発刊の「災害対策マニュアル」のもと周知・啓発を行ってきた。引き続き、このマニュアルなどを通じて、平常時の対策から災害時の対応について啓発を行っていく。
 3点目はコミュニティーガス事業の持続的な発展への取り組みだ。カーボンニュートラル時代に向けたコミュニティーガスの在り方に関して、rDME混合LPガスなどの脱炭素・低炭素化に関する調査・研究事例や実証への取り組み、コミュニティーガス団地を核とするJ-クレジットに関する検討を進めていく。J-クレジットの利用促進についても、積極的な取り組みを行っていく。
 日本コミュニティーガス協会は、会員事業者の保安を基盤とした持続可能な事業運営の支援に全力で取り組むと同時に、エネルギー政策の動向や規制変更に関する情報提供、関係省庁や他のエネルギー業界団体との連携強化にも積極的に取り組んでいく所存だ。