経済産業省、中小向け「仕事と介護の両立支援セミナー」配信

セミナー

経営戦略としての両立支援を啓発

経済産業省は高齢化の進行に伴い「働く家族介護者」が増加するなか、中小企業において従業員が安心して働き続けられる環境づくりを推進するため、「中小企業向け 仕事と介護の両立支援セミナー」を11月11日から配信している。

超高齢社会の日本では、生産年齢人口の減少が続く一方で、仕事をしながら家族の介護を行う人は増加傾向にあり、2030年時点では約318万人に上り、経済損失額は約9兆円に達すると試算されている。とくに人材不足が深刻な中小企業にとって、社員の離職や休職が事業に与える影響は大きいことから、同省は両立支援環境の整備を急ぐ。

今回配信される第1弾セミナーは、以下の3本の動画で構成され、経済産業省公式YouTubeチャンネル「METI channel」で公開された。

1本目は、株式会社ワーク・ライフバランス取締役の大塚万紀子氏による「【基調講演】人的資本経営時代の“働き方の戦略”と両立支援」である。この講演は、両立支援を福利厚生ではなく、業績を上げるための「経営戦略」として実現する重要性を中小企業の経営者に理解してもらうことを目的とする。

2本目は、厚生労働省 雇用環境・均等局 職業生活両立課課長の上田真由美氏による「仕事と介護を両立しやすい環境づくりに向けて」と題し、今年4月に施行された改正育児・介護休業法の概要、新たに義務付けられた各種措置に取り組む際の企業の役割、必要な対応、および企業実務で活用できる支援ツールなどについて解説した。

3本目は、経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課課長の福田光紀氏が、同省が公表した「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドラインについて」を説明。両立支援が必要な背景や取り組む意義、組織内で支援を進める上でのポイントについて解説している。

中小企業向け仕事と介護の両立支援セミナー(経済産業省)