月刊LPガス エッセイ★湯川裕光
今年の夏は暑かった。長らく日本の最高気温は1933(昭和8)年の山形市で40.8℃だったが、地球温暖化の問題が広く知られるようになった2007年に、埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40.9℃が記録された。わずか0.1℃の更新に70年以上もかかったことが、温暖化の危機になんとなく切迫感を持たせてこなかった理由かもしれない。しかしその後、2018年に熊谷市、2020年には浜松市で41.1℃を観測、今年はついに群馬県伊勢崎市で41.8℃、静岡市と埼玉県鳩山町で41.4℃を記録、その他の地点でも40℃を超える観測が続出して例外でなくなってしまった。
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湯川裕光
作家。1950年、東京に生まれる。東京大学法学部卒業。『安土幻想』『小説古事記成立』など歴史小説を書き、『マンマ・ミーア!』『異国の丘』など、劇団四季のミュージカルの台本も手掛ける。『瑤泉院』は稲森いずみ、北大路欣也主演でテレビ東京の正月10時間ドラマの原作になった。現実政治に携わったこともある。

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