鈴与商事（静岡市、伊藤正彦社長）と東急（東京都渋谷区、堀江正博社長）は１日、富士山静岡空港で導入準備を進めていた太陽光発電設備について、今月中に運転を開始すると発表した。
同発電事業では、鈴与商事と東急が設立したＳＰＣ（特別目的会社）が発電事業者となり、空港誘導路南側の用地に約１ＭＷの太陽光発電設備を設置。空港旅客ターミナルビルへ電力を供給するもの。関係者以外は立ち入れない空港の制限区内に大規模な野立て太陽光発電設備を設け、空港内で自家消費する事業は全国の空港で初の取り組みとなる。初年度の年間自家消費量は、旅客ターミナルビル全体使用電力量の約37％に相当する１０７３ＭＷｈを見込み、年間のＣＯ２排出量を約４５１・７ｔ削減する想定。
同空港では昨年12月、国土交通省から認定を受けた「富士山静岡空港脱炭素化推進計画」で掲げる温室効果ガスの削減目標（２０３０年度までに13年比で46・６％削減）実現に向け、さまざまな環境施策の検討中だ。空港を管理・運営する富士山静岡空港株式会社では、旅客ターミナルビル内の一部照明や駐車場照明のＬＥＤ化、日常的に使用する保安車両のＥＶ化など、空港脱炭素化の取り組みを実施している。今回の発電事業を機に同空港の設置管理者である静岡県と一層連携し、ＣＯ２排出量の削減に向けて、引き続き脱炭素化の取り組みを推進していく考えだ。
