日本エルピーガスプラント協会 廣田博清

わが国のエネルギー情勢は世界的な地政学リスクの高まりに加え、燃料価格の変動など、幾多の課題に直面している。そんな中、会員各社の不断の尽力により、LPガスプラントの安定操業と災害対応力の強化が図られ、脱炭素に向けたバイオや合成LPガスの実証など多くの成果が挙がりつつあることに改めて深く敬意を表する。
昨年は国際情勢が目まぐるしく変化した一年でもあった。当協会では昨年はLPガス消費者の安全の一層の確保と重大事故撲滅に向けた「液化石油ガス安全高度化計画2030」にのっとり、供給設備の腐食や劣化に起因する事故を未然に防ぐ取り組みが一層進んだ。
具体例としては、会員各社から不具合事例を収集し、その結果を機関誌や各種媒体を通じ情報として発信、共有している。ややもすれば悪い情報を外に出したくない意識が働きがちだが、当協会では会員各社の協力のもと、多くの事案を収集できている。不具合の放置が重大事故につながるというという危機意識と、サプライチェーンの保全を守るためには多くの具体的な事例に学ぶことが重要であるという共通認識があるからだ。これらの事例集は、会員以外からの配信依頼も多く、それぞれの企業で社内の保安教育に使われるなどたくさんの方々に活用され、今年もこれを継続し、一層中身の充実を図っていく。
加えて、昨年はホームページを一新するとともに、講習会のやり方を大幅に変更した。人材育成はプラント業界にとっても持続的発展の礎との考えのもと、eラーニングを導入することで時間や場所に関係なく学習できる機会を設けた。ここでは、受講者の習熟度をシステム的に管理できるだけでなく、本人が受講履歴をチェックできるようになっている。
将来はeラーニングを補完する形で検査や品質保証の現場で先輩から直接技術伝承を受ける実体験の場も提供していく。これは当協会が昨年から取り組んでいる高齢者雇用に関する調査での各企業が高齢者に大いに期待しているという調査結果に基づくものだ。この取り組みは、高齢・障害・求職者雇用支援機構から受託したものだが、令和3年に70歳までの就労確保が努力義務となってから4年を経て、会員をはじめ、企業の状況を確認することが目的だった。これについては年度末までに最終報告書を届ける予定だ。
経営者の多くは、次世代に対する教育や技術の伝承を重要視しており、経験豊かな従業員から実作業を通じて学ぶことで、後進の理解度が向上し、勘どころが習得できると考えている。LPガス設備の経年劣化や管理不良を原因とする事故を未然に防止するために、繰り返し教育・訓練を行い、行動を通じて実技を学ぶ講習へ進化させていきたい。将来的には、若手技術者が最先端の保安・検査技術やDXを一体的に学べるプログラムを用意するなど多様な人材が躍動し、LPガス業界の未来を切りひらく環境を整えていく。
今年も環境に配慮し、「安全・安心・サステナブル」を合言葉に、会員と力を合わせ、LPガスプラントのさらなる高度化に取り組み、設備の安全操業と安定供給に貢献していく。


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