月刊LPガス 湯川裕光のエッセイ
近現代の社会は発電所から仕事場や住宅まで、電線を張り巡らす歴史である。エジソンが最初に実用化させた白熱電球の特許を取得したのは1879年だが、3年後にはニューヨークのマンハッタンで世界初の商業用火力発電所を建設し、電気の供給を開始した。送電は110V(ボルト)の直流方式だった。より効率の良い交流送電を提唱して推進したウェスティングハウス社が1888年に、エジソン社の技術者で待遇に不満を持っていたテスラの発明した交流電動機を採用して以降は、次第に優位に立った。結局、直流送電に固執したエジソンはこの電流戦争に敗れ、業績が悪化。吸収合併したGE(ジェネラル・エレクトリック)も、その後は交流方式に変更したことは先月号で紹介した。
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湯川裕光
作家。1950年、東京に生まれる。東京大学法学部卒業。『安土幻想』『小説古事記成立』など歴史小説を書き、『マンマ・ミーア!』『異国の丘』など、劇団四季のミュージカルの台本も手掛ける。『瑤泉院』は稲森いずみ、北大路欣也主演でテレビ東京の正月10時間ドラマの原作になった。現実政治に携わったこともある。

