LPガス業界人のためのリテラシー向上講座 ⑧
エネルギー事業コンサルタント 角田 憲司
戸建無償配管の最高裁判決
取引適正化をめざす液石法改正省令の実効性を確保する取り組みが停滞しているさなかの昨年末に「LPガス戸建の無償配管に関する最高裁判所判決」が出され、大手新聞社や通信社がこぞって報道したが、発信元は最高裁の記者クラブのようであり、「LPガス問題への関心」というより「最高裁判決への関心」が動機になるので、各社それ以上の深掘りはしていない。年末年始を挟んだので、業界内の反応もよくわからないが、少なくとも戸建で貸付配管を行っているLPガス事業者は急ぎ対応を検討していることだろう。
ではこの最高裁判決はどのような内容だったのか。簡単に言えば「戸建住宅購入時にガスの無償配管付きのLPガス供給契約を結んだ消費者(住宅所有者)が供給契約を途中解約した場合に(=他のLPガス事業者に切り替えた場合に)、その契約に定められた算定方法による配管・設備費用の残額の支払いをしなくてもよい。また、残額が支払われないからといってLPガス事業者が所有権を主張するガス配管を撤去することも認めない」ということである。下級審では契約を結ぶ消費者とLPガス事業者それぞれの主張を認める判決があったが、要は消費者(住宅所有者)の勝訴、LPガス供給事業者の敗訴として決着した。ゆえにLPガス事業者の切り替えに際して、たとえ残額を支払うと契約に書かれていても、あるいはその支払額がかつて全L協の「LPガス販売指針」にあった貸付配管の算定方法に準拠したとしても、消費者は支払う必要はないという理解が(仮に裁判で争ったとしても)採択されるということである。
エネルギー事業コンサルタント 角田 憲司
プロフィール
1978年東京ガスに入社、家庭用営業・マーケティング、熱量変更部門、卸営業などに従事、千葉ガス社長、日本ガス協会地方支援担当理事を経て、現在、コンサルティングなどを行う。
角田憲司のビデオブログ



