お客さまに選ばれるエネルギーに
安定供給と保安確保に万全を期す

年頭所感

全国LPガス協会 山田耕司 会長

 昨年は夏の猛暑をはじめ、台風、地震などの災害も発生し、また山火事や熊による被害も大きな問題となるなど憂慮すべき事態が多く発生した。被災者の方々に改めて衷心よりお見舞い申し上げます。
 また昨年、参議院議員選挙後に少数与党内での政権交代があり、高市政権の発足という政治面での大きな動きがあった。海外では、アメリカ大統領のトランプ政権発足に伴う高関税政策により世界経済の不安定化が加速し、出口の見えないウクライナ情勢に加え、中東情勢の緊迫化など地政学的な課題もより顕在化した。これらのさまざまな事象は、先行き不透明であり、わが国の政治・経済情勢は予断が許されない状況だ。
 そうした中、昨年は長年の課題であったデフレ脱却の兆しが見える一方、引き続き、物価高騰や円安の進行、団塊の世代が後期高齢者となり始めることで、社会保障費の増大や労働力不足が顕在化するなど国民生活や経済活動への影響が注目された年だった。

 新たな年を迎えたが、LPガス業界としては、今年も国民生活の基盤をなすエネルギー業界の一員として引き続き安定供給と保安の確保に万全を期す必要がある。特にお客さまの関心の高い価格高騰対策については、LPガスをご利用いただいているお客さまの負担軽減を図るため、政府の経済対策として重点支援地方交付金での措置がこれまで講じられてきたが、昨年秋の経済対策においても引き続き措置されたことを踏まえLPガス業界として適切に対応していく。
 LPガスがお客さまに選択いただくための基本となる取引の適正化については、一昨年4月の省令改正公布、昨年4月の全面施行を踏まえ、新秩序の下での法令順守の徹底が本年も引き続き求められる。LPガス販売事業者各位が、LPガスの商慣行是正に向けたLPガス販売事業者の「自主取組宣言」の公表およびそれに則した適正な事業展開が必要であり、今年も引き続き行政、不動産関係者と連携を深めつつ、健全な取引の徹底を図っていく。
 保安面に関しては、国が策定した「液化石油ガス安全高度化計画2030」も6年目となる今年は見直しのタイミングとなり、それに伴い全L協としても「LPガス安心サポート推進運動」について所要の見直しを進めている。
 全国目標に掲げている年平均での死亡事故1件未満および人身事故25件未満の達成は引き続きの目標として堅持の方向であり、都道府県LPガス協会などを通じて、LPガス販売事業者各位には目標達成に向けて取り組んでいただいているが、引き続きお客さまにLPガスを安全・安心にご使用いただくために、ご尽力いただきたい。
 需要開発に関しては、昨年決定された第7次エネルギー基本計画を受け、S+3E(安全性と安定供給、経済効率性、環境適合))の基本原則の下でLPガス業界としては、2050年カーボンニュートラル(CN)達成に向けグリーンLPガスの開発に取り組んでいる。LPガス販売業界としてはグリーンLPガスが社会実装されるまでのいわゆるトランジション期間においてCO●削減に向けて様々な方策を講じていく必要がある。
 高効率機器のエネファーム・エコジョーズ・ハイブリッド給湯器・GHPなどの販売推進とともに灯油などからのLPガスへの燃料転換にも取り組み、また、LPガスの配送合理化・LPWA(低電力広域無線通信)の普及も図っていく。さらに都道府県LPガス協会が実施する需要開発推進運動への協力のほか、元売りやガス機器メーカーなどと連携した活動など、グリーントランスフォーメーション(GX)に向けたさまざまな対応を図っていく。
 なお、災害に強いLPガスの強みを一層発揮させるため、全国の公立小中学校の避難所となる体育館あんどに停電時にも稼働可能なLPガスによるGHPの普及、ならびに公的避難所・医療施設・福祉施設の防災拠点などに、LPガスの常設・常用を推進していくことが肝要であり、引き続き都道府県LPガス協会などを通じた、地方自治体への働きかけを強化していく。
 LPガススタンドに関しては、全国のLPガススタンドのインフラ網を維持するため、災害時にも活躍するLPガス自動車の普及促進が重要であり、行政機関・輸送会社などに対して、LPガス自動車の一定割合の導入促進を働きかけるとともに、主要ユーザーであるタクシー業界へCNの観点からの導入促進を訴えていく。
 以上の他にもLPガス業界として取り組んでいくべき課題は多数あるが、お客さまに選ばれるエネルギーになるために、さまざまな課題解決に向けて邁進する所存だ。