LPガスなどの安全確保は業務の本旨 規制と振興の一体的に推進

年頭所感

特別民間法人高圧ガス保安協会 加藤洋一 会長

 今年は、高圧ガス保安協会(KHK)が昭和58年の臨調答申に基づく第3類型の民間法人となった昭和61年からちょうど40周年にあたる年になる。人間に例えれば、「不惑の年」ということになるので、迷いを払拭し、心技体がうちそろう円熟期を迎えることとなる。
 令和7年を振り返ってみると、記録的な猛暑に見舞われ、自然災害などに悩まされた一面があった。年央あたりで高圧ガスにかかる事故が一時散発的に発生した状況にもあった。ただ、高圧ガスにかかる事故については、年末にかけては落ち着きを取り戻し、全体としては減少傾向を維持している状況だった。そのような中、「いのち輝く未来社会のデザイン」をうたった大阪・関西万博が大いに盛り上がり、盛況裡に閉幕したなど、将来に期待がもてる活気に満ちた一年でもあった。

 ただ、資源大国ロシアをめぐる政情の不安定、その世界経済に与える混乱が収まりを見せないなど、不透明性が増大する側面もあり、エネルギーの利活用面にかかる安全保障を危機管理上、意識せざるを得なくもなった。この状況はとりわけ化石燃料の海外依存度の高いわが国にとり厳しいものとなっている。
 世界の電力に占める再生可能エネルギーの割合は、2026年には石炭を抜いて最大になると予想されている。27年度3月期からは、時価総額3兆円以上の東証プライム市場への上場企業についてサステナビリティ情報開示の義務化が開始され、順次その対象が拡大されていくなど、カーボンニュートラルに向けた環境整備が着々と進行する年となってきた。
 その一方で26年は、世界が地球的規模でクリーン・エネルギー問題に対処できるか、また、脱炭素目標への達成の道筋を明らかにしていけるか、まさに分水嶺をなす年ともいわれている。
 KHKは、こうした状況を背景に「規制と振興の一体的推進」「グローバルなバリューチェーンの構築支援」を強力に推進する考えだ。昨年10月には欧州委員会共同研究センターと、水素の安全と振興に関する協力覚書を締結し、非化石燃料の利活用で先進性を有する欧州との間で戦略的連携関係を構築した。
 同様な対応を、エネルギー環境が類似する韓国とも、韓国ガス安全公社との連携をさらに強固なものとしつつ、推進していく。
 もとよりKHKは、高圧ガス保安にかかる全方位的な責任を有している。わが国の経済産業の成立基盤を担う役割をもつコンビナート、LPガス、冷凍事業などに関する安全確保について、われわれの業務の本旨大本であると認識しつつ、さまざまなステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションをしっかりと取らせていただき、遺漏なき対応に努めていく。
 足下では、進行する少子高齢化と深刻な人手不足、AIや量子コンピューティングのビジネス領域への本格的な浸透など、安全安心の向上に対してチャレンジすべき状況となってきている。
 KHKは、こうした変化の波にしっかり対応しながら、自らに課せられた使命を強く認識し、業務にエネルギッシュに取り組み、丙午の年にふさわしい成果を出していく所存だ。