LPガス業界人のためのリテラシー向上講座 ⑦
エネルギー事業コンサルタント 角田 憲司
施行後の法令遵守状況がよく見えない
液石法改正省令の第1弾が施行されて1年半、第2弾が施行されて9カ月が経過した。足元ではこれに関する報道もかなり減ったが、省令改正が目指した取引適正化は順調に定着しているのだろうか。首都圏など無償貸与競争が過熱化していた地域では「沈静化している」との報告もあるが、全国ベースでどのような法令順守状況になっているかはよくわからない。
直近の省令施行事項が「三部料金制への移行」に関するものだったため関係者の関心がここに集中している。だが省令改正の一義的な目的は、オーナー等への設備の無償貸与という商慣行との決別を図り、LPガス料金の中に「設備貸与費用」という異物を混入させてないことであり、LPガス供給決定権を持つオーナー等とLPガス事業者との取引を適正化することである。一方、「三部料金の徹底」とは過去の投資により入り込んだ「異物」を消費者に対し「見える化」することだが、時間の経過とともに異物は償却されていくため商慣行是正の大義からすると本筋の問題ではない。こう考えると、今重要なのは、LPガス事業者側では「もう異物の混入をしない」ことであり、行政機関側では「新規に異物混入されていないことを立入検査などで最優先に確認すること」ではなかろうか。商慣行是正は法令で禁止したからといって徹底されるほど甘い問題ではないことを関係者は皆、分かっている。既存の賃貸集合においてオーナー等の強い要請(受け入れないなら他社に切り替えるぞ)を受け、「背に腹は代えられない」として設備貸与を継続してしまうケースは考えられるが、当事者同士が申し合せれば外部に漏れることがないので通報フォームにも引っかからないため、規制当局が立入検査等で確認するしかない。事業者にとっては「省令改正の意義を説得しきれていないオーナー対策」は頭が痛い問題だが、LPガス商慣行是正という大義を貫くためにも乗り越えてもらうしかない。
エネルギー事業コンサルタント 角田 憲司
プロフィール
1978年東京ガスに入社、家庭用営業・マーケティング、熱量変更部門、卸営業などに従事、千葉ガス社長、日本ガス協会地方支援担当理事を経て、現在、コンサルティングなどを行う。
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