東京ガス、家庭用蓄電池の発動指令対応を検証 容量市場への供給力を確認

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 東京ガス(東京都港区、笹山晋一社長)は1月21日、昨年12月に家庭用蓄電池200台以上を用いて発動指令に遠隔制御で応答する検証を行ったと発表した。同社は、ソリューション事業ブランド「IGNITURE」の家庭向けソリューションの1つとして「蓄電池ネットワークサービス」を展開。今回の検証で同サービス加入の一部の顧客の家庭用蓄電池を対象に、実運用を想定した一般送配電事業者からの発動指令に対応して、同時に複数の蓄電池を遠隔制御することで、供給力を創出・集約し、容量市場へ確実に提供できることを確認した。
 同検証は、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が実施した容量市場の参画に必要となる実効性テストに当たる。発動指令とは、電力の需給バランスが崩れた際に、電力会社や送配電事業者から需要家に対して、電力使用量の抑制や発電設備の出力増加を要請する命令のこと。OCCTOは、全国の電力需給を監視・調整し、送配電網の整備を推進する中立的な認可法人で、全電力事業者の加入が義務付けられている。
 同社によれば、この規模の家庭用蓄電池を活用した容量市場の実効性テストへの参加は国内初。今後、2027年4月からの容量市場への供給力の提供に向けた準備を加速していくとしている。
 再生可能エネルギーの導入拡大や市場価格の低下が進む中、発電設備への投資環境は厳しさを増しており、電力の安定供給を支える中長期的な供給力の確保が重要な課題となっている。容量市場は、将来にわたる供給力を確保するための市場。大規模電源だけではなく、今後さらなる普及が見込まれる家庭用蓄電池といった単体では小規模な分散型エネルギーリソースを束ねることで大きな供給力を創出できる低圧VPP(地域に分散する太陽光発電や蓄電池などのエネルギーリソースをIoT技術で束ねて一つの発電所のように遠隔・統合制御する仕組み)も活用が期待されている。
 同社は、蓄電池ネットワークサービスをさらに拡充し、より多くの供給力を確保していくとともに、ポイント還元等も含めたお客さまへの経済価値還元につなげていくとしている。将来的には、電気自動車や給湯器なども含めた家庭のさまざまなエネルギー機器を統合的に最適化する仕組みを構築した上で、国内の蓄電池メーカー、商社、販売施工店、自治体などの参画パートナーと連携し、低圧VPPの社会実装を推進し電力システムの安定化に貢献していく意向だ。

低圧VPPによる容量市場対応のスキーム