広島ガスプロパン、タクシーにカーボンオフセットLPガス導入、ラッピング車両5台が出発式

企業動向
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広島ガスプロパン(広島県海田町、泉博之社長)と広島第一交通(広島市、稲益強社長)は今月から、タクシーの燃料にカーボンオフセットLPガス(COLPG)を導入することで合意。4日に広島ガスプロパン本社オートガス充填所で、導入するタクシー車両5台の出発セレモニーを行った。タクシー用燃料としてカーボンオフセットLPガスを活用する取り組みは中・四国地方初となる。

広島第一交通が導入するカーボンオフセットLPガス用の車両はトヨタ・ジャパンタクシー。両社のコラボレーションで、車両側面に「ZERO CARBON TAXI」「カーボンオフセットLPガス」「広島ガスプロパン」のロゴをラッピングを施した。ZERO CARBONのE、C、Oの3文字を緑にし、つなげて「ECO」を表現している。

燃料用LPガス使用量は、5台計で年間約15tを想定しており、カーボンオフセットLPガスの導入により年間約50tのCOtを削減する。

出発式で稲益社長は、「地球温暖化は深刻な環境問題を起こしており、世界各国で解決の糸口が模索されている。日本でもCOt削減が求められるなか、昨年12月に広島ガスプロパンから今般の提案を受けた。公共交通機関であるタクシーであり、待ち望んでいたものだったので、すぐに導入を決断した。環境にやさしいタクシーを走行させることは社会的責務と考える」とあいさつ。質疑応答では「最初は5台だが徐々に増やしていく。全国に取り組みを発信したい」と話している。

泉社長は、「LPガスは化石燃料の中でも環境にやさしい、重要なエネルギー。脱炭素社会の実現はエネルギー事業者としての使命と考えている。ラッピング車両が市中を走ることで、広島での脱炭素への気運がさらに高まることを期待する」と述べた。

あいさつに続き、オートガス充填作業、5台のラッピング車両の出発などを報道陣に披露した。

COLPGは、生産から輸送、お客さま先での燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、世界で行なわれている環境保全プロジェクトから得られたカーボンクレジットで相殺(カーボンオフセット)し、LPガス使用による温室効果ガス排出量が実質ゼロとみなされるLPガス。これまで元売各社がCN-LPGなどそれぞれ呼称してきたが、1日から名称を共通化した。

排出権証書を取り交わす泉社長(左)と稲益社長