松江市(上定昭仁市長)は3月26日、公営ガス事業の民間譲渡に関し、優先交渉権者として伊丹産業(兵庫県伊丹市)と東京電力ホールディングスの100%子会社・東京電力エナジーパートナー(東京都中央区)によるコンソーシアム(協同事業体)に決定したと発表した。伊丹産業は代表企業として、市内に新会社を設立するなど中心的に事業を進め、東京電力エナジーパートナーは協力企業として新会社の多角的経営に協力する。譲渡価格は、公募条件だった最低23億円を大幅に上回る36億9000万円。議会の承認と国の認可を受けたうえで、引継ぎ期間を経て2026年4月1日の譲渡完了を予定している。
松江市のガス事業は年々、顧客数および販売量が減少し続けている。また民間都市ガス事業者はガスや電気、インターネットなどのセット提案が可能だが、松江市ガス局をはじめとする公営ガス事業者は原則としてガスの販売しかできない点も課題とされていた。今後、市のガス事業を安定的に継続させるためには、ガス事業の民営化は必要との考えから、23年8月に公営ガス事業を民間に譲渡する方針を発表。01度から議論されてきた懸案事項が一気に動き出したのはこの時から。以降、松江市ガス事業協力組合や松江市ガス局協力業者、島根県LPガス協会松江支部などとの意見交換などを重ね、24年10月から施設および営業権の全てを民間事業者へ売却する完全譲渡を条件に、公募型プロポーザル方式により譲渡先を公募していた。
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