ノーリツ(神戸市、腹巻知社長)は19日、東京都渋谷区の渋谷ヒカリエで11月から発売する自然冷媒ハイブリッド給湯機「HPHB R290」の発表会を行った。
最初に腹巻社長が同社の事業展望と新商品概要を説明後、同社マーケティング部温水商品企画グループの陣野一気氏が詳細説明を行った。続くトークセッションでは、タレントのSHELLYさんが登場し、自然冷媒の採用メリットを確認するとともに、入浴習慣のあり方を提言した。

自然冷媒を採用
腹巻社長は、ノーリツグループの年間CO2排出量1510万tの削減を目指す取り組みについて新メッセージ「次のいい湯を、考える時代です。」を紹介。「私たちは人にも地球にも配慮したお湯の実現に向けた取り組みの推進をここに宣言する」と強調した。新型ハイブリッド給湯機については、「環境に優しい自然冷媒を採用した業界ナンバーワンの環境性能、業界トップレベルの省エネ性で、地球と暮らしにとって一番の選択肢をつくった。日本の給湯器の新たなスタンダードを築きたい」と自信を見せた。
商品企画を担当した陣野氏は、環境性能についてヒートポップユニットの冷媒にGWP(地球温暖化係数)が圧倒的に低い自然冷媒「R290」を採用したと改めてPRした。省エネ性を支えるのは、同社の独自技術「スマート制御」。必要な時間に必要な分だけお湯をためる学習運転機能が進化し、「無駄な貯湯を最小化する」と語った。
ヒートポップユニット自体は、業界最小のコンパクト化も実現。給湯器の選択が自由なので、号数や機能などお客さまのニーズに合わせて提案が可能になったという。既存の給湯器に後から貯湯ユニット、ヒートポンプユニットを設置することでハイブリッド給湯器にすることが可能だ。流通事業者のメリットとして、コンパクト化・軽量化により施工負担を低減したのも特徴。ヒートポンプユニットでプラグインタイプをラインアップすることでヒートポンプの専用電源工事が不要となるため、施工負担が一層低減すると説いた。
最後に陣野氏は、「地球にとっても、お客さまにとっても、流通事業者にとっても三方良しの製品に仕上がったと自負している」と言葉に力を込めた。

意識の変化に期待
トークセッションは、SHELLYさんがNPO法人気候ネットワーク東京事務所長の桃井貴子所長から、自然冷媒「R290」の環境負荷について解説を受けた。一般的なエアコンで使われる冷媒用代替フロン「R32」がCO2の771倍の温室効果があるのに対し、「R290」は0・02倍に過ぎないことなどを学んだ。新メッセージに即した「次のいい湯」を実現する入浴習慣について、「お湯の温度を下げる」「残り湯に再利用」などがあることも確認した。
最後に「地球環境に優しいことをしたいという皆さんの気持ちが、大きく盛り上がってると私も感じる。地球温暖化に対するアクションで、消費者として選択をすることの大切さを考えて買い替えで意識してもらえたら、すごく大きな変化になるのではないか」と語った。